フェレットの病気、症状、正しい飼い方

フェレットは、イタチやオコジョの仲間で、人間に飼われることで人懐っこい性格になっていった動物です。ペット用のフェレットは野生と違って人がいなくては生きていけない存在なので、しっかりとケアしてあげましょう。

このような症状が見られたら要注意

ジステンパー

ジステンパーは犬の病気として知られていますが、フェレットにも感染します。症状としては、「元気がなくなり、痩せていく」、「アゴに皮膚炎が起きる」、「呼吸困難、痙攣」と、だんだん症状が重くなっていきます。痙攣などを引き起こすようになると末期で、100%死にいたる怖い病気です。

ジステンパーになったフェレットは、他のフェレットと引き離します。治療方法がなく、回復しないため、苦痛から解放してあげるために安楽死を選ぶのもひとつ手段です。なお、フェレットのジステンパー予防は、予防接種を受けることしかありません。

インスリノーマ

高齢のフェレットに感染することが多く、膵臓にできた腫瘍が原因でインスリンが大量に分泌される病気です。インスリンが血糖値を下げるので低血糖になり、活発に動くことが少なくなって、足元がおぼつかなくなったり、ぐったりしたり、元気がなくなっていきます。ひどくなると、こん睡状態になり、痙攣を起こすこともあります。

治療は、プレドニゾロンを飲ませて肝臓を活発にして血糖値を上げる内科的治療と膵臓の腫瘍を取り除く外科的治療があります。どちらの場合も、食事療法が必要となり、血糖値が急激に変化しないよう、いつも一定量の食事を与えることも大切です。甘いオヤツや炭水化物はインスリン分泌が活発になり低血糖になるので、与えないようにしてください。

フィラリア

犬や猫に多いフィラリアですが、フェレットの場合は身体が小さいので数匹のフィラリア成虫によって死にいたることもあります。蚊が媒介するので、蚊の飛ぶ季節には、フィラリア予防薬を飲ませるようにします(4~5月くらいが予防に適しています)。「咳や呼吸困難」、「腹水がたまる」といった症状があります。フィラリア成虫が血管に詰まって突然死になることもあるので、早めに動物病院で検診することが重要です。

副腎疾患

副腎に腫瘍ができる、あるいは、肥大化することによって性ホルモン異常が起きる病気です。中高齢のフェレットに発症することが多く、「毛が抜ける」、「性器が腫れる」、「尿を漏らす」、「尿が出にくい」といった症状として現れます。インスリノーマを併発することもあるので、要注意です。

ホルモン注射による内科的治療や副腎摘出といった外科的治療を行います。それぞれにメリット・デメリットがありますので、フェレットの体力や飼い主様の意向を確認して治療を行います。

エストロジェン過剰症

メスのフェレットは、発情期になると性ホルモンであるエストロジェンが分泌されるようになります。交尾することで、排卵し、エストロジェンの分泌が低下します。排卵ができないと、エストロジェン過剰になり、「毛が抜ける」、「食べ物を口にしない」といったことが起きます。脱水症状や陰部の腫れも引き起こし、免疫力が低下するので他の病気を引き起こすことになります。

ホルモン注射や交尾させることで治療は可能ですが、発情期がくるたびに行うことになるので、繁殖させないのであれば、避妊手術で予防します。

ノミ、ダニ

フェレットにノミやダニが寄生すると、毛が抜けたり、フケが多くなったり、掻いて傷になることがあります。特に耳を掻いている場合は、耳の奥にダニがいることがあります。そのままにしておくと、内耳炎など耳の病気になってしまいます。

ノミやダニは薬で駆除することが可能で、ケージや部屋の中などフェレットの通るところも含めてこまめに掃除することで予防します。掃除した後、ケージに散布する予防薬を使うのもいいでしょう。

飼い方

ケージはフェレットが動き回れるように60センチぐらいの大きなものを準備しましょう。小さな隙間でも通り抜けるので、針金と針金の隙間が5センチ以下のケージにします。運動できるように中段の棚をつけ、ハシゴも用意します。フェレットはモノを握ることができるので、ケージもしっかりとフックで閉じないと、自分で開けて脱走することがあります。

フェレットは狭い場所が好きなので、部屋の中で遊ばせるときには家具の隙間に入って出てこなくなったり、ドアの隙間から逃げ出したりするので、注意しましょう。また、ゴミや小さな破片が落ちていると食べてしまうことがあるので、遊ばせる前には部屋を片付けて掃除をしておくようにしましょう。

なお、トイレは同じ場所にするように、フンを少し残しておくといった工夫が必要です。清潔に保つために、スノコや金網にしたほうがいいでしょう。こまめに掃除することが大切です。

水に関してもボトル型でケージに固定して設置します。下に置くタイプでは、ひっくり返すので、不衛生になってしまいます。

食事について

フェレット専用のフードが売られているので、基本的にはそれを与えます。肉食なので、ササミや卵に火を通して、小さく切って与えるようにしましょう。野菜や果物などは、オヤツ程度の少量にしておきます。